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決戦の火曜日が終了。 今週は土日に体調を崩していたので、ちょっとキツかったです。 さて、昨日のテーマは Governance がEU統合について、 Management がCost-Benefit Analysis (CBA、費用便益分析)について。 EU統合については基礎的なところから歴史をおさらいしたうえで、 ゼミでは1985年当時のSingle European Actという法律の導入過程を、 EC事務局、イギリス、フランス、ドイツに分かれて交渉場面をロールプレイ。 私はイギリスを担当。 イギリスのEUとの付き合い方というのは非常に面白いです。 原則、「付かず離れず」を基本線としてやってきました。 膨大な旧植民地(common wealth)との間での貿易が盛んだった戦後直後は ヨーロッパ内での自由貿易にはさほど興味を示さず、 かと言ってEC→EUが確実に影響力を増してくるに連れて、 政治的にEUをコントロールしようと画策したり。 文献では、awkward partner (ぎこちない交渉相手)なんて呼ばれてしまっています。 イギリスは一応EUのメンバーではあるわけですが、現在でも単一通貨ユーロには参加していません。 この点、私は以前語学学校の講師などと話したときには、 「イギリス人の間で、(かつての)世界通貨ポンドに対する誇りがあるのではないか」 なんてことを言っていたのですが、 折角なのでゼミの最後に質問してみると、 「インフレ政策、金利政策を手放したくないのでは。」 つまり、ユーロに入ると、BOE(=Bank of England=日銀に相当)の機能 は、ECB(=European Central Bank、欧州中央銀行)に吸収されてしまうわけです。 「実際は、ゴードンブラウンのせいだけどね。」 現財務大臣(そして、ブレアの後継者。年上ですが。)の考えに拠るところが大きいと。 ゴードンブラウンは、公定歩合の決定権を含めた金融政策の責任をBOEへと大幅に譲渡する政策を行い、 結果として、経済成長が軌道にのっているという点を指すものです。 実際、現時点で、EU平均の経済成長率より高いです。 (政策金利も英国は5%台、ユーロ圏は3%台。) さらに講師の補足するところによると、 「英国民は(ポンドかユーロかを、)実際に選んですらいないのだ。」 と。 一般国民の感覚を感じ取って政策形成しているとも言えますが、 逆に言うと、 ユーロに加入しないという決断は英国政府が独断で決めてしまっており、 国民に対しそういう選択肢があるという情報すら与えていない。 この点はどこの国でも言われることではありますが、非情に面白い議論でした。 英国は、良くも悪くも心は大英帝国のままの点があると私は感じています。 単独で米国を動かせると思っているのは英国くらいなものでしょうし。 EUに対する距離感も、「栄光ある独立」を志向する英国らしい政策と言えると思います。 人気blogランキングへ
by oldyorker
| 2007-02-21 16:19
| 公共政策学
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